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| 2004/2/25 |
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『ツイラク』
著 者:姫野カオルコ 出版社:角川書店
発行日:2003年10月 本体価格:1,800円
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とにかく「生々しい」というのが正直な感想でした。小学生から中学生のころを中心にさまざまな子の「恋愛感情」が描かれます。(最終章でそれぞれが大人になった時代も描かれます)。しかし「小中学生の恋」という言葉から連想される可愛い感じはまったくありません。どちらかというとグロテスク。「子ども」の無邪気な残酷さ(?)を恋愛を切り口に描くとこうなる…のかしら?
本書には多数の少年少女が登場します。人が集まるところにはグループが構成され、小学生の頃から派閥もちゃんと存在します。家が裕福で外見もキレイな京子は派閥のトップ、小学生なのにバーのマダムっぽい派閥の実権を握っている統子、マイペースで派閥に興味のない隼子、男子の派閥でナンバー1の太田くん、横浜から引越ししてきてちょっと都会のにおいがする佐々木くん、女の子の髪の毛を引っ張ったりするイタズラっ子の塔仁原くん…こんな子いたなぁ、と物語がリアルに感じられます。そして中学生になると先生や先輩なども加わり、またその登場人物が本当に自分の学校にもいたリアルな存在に近いために「生々しい」感じがさらに強まります。大人になるにつれ忘れていた(忘れていたい?)当時の恥ずかしい気持ちが、しつこいぐらいに描かれるのでイヤな気持ちにすらなります。著者も思春期ならではの「いやらしい」感情を描いたということなので、イヤな気持ちになるのも著者の思うツボなのでしょうが(笑)。
自分の小・中学生のころを思い出してみると、今考えると素直ゆえに怖いことってたくさんありますよね。近所の男の子が家の前で待っていたり(今だったらストーカー)、愛の歌が入ったテープが送られてきたり(当時もちょっと怖かった)。自分だって好きだった人のロッカーを見に行ってみたり(見てどうするんだ…)と意味不明です。でもそんな経験、しておいた方がいいですよね。大人になってからやったら確実に危険人物ですもの。そんな誰にでもあった(?)体験が克明に描かれる物語…。いろんなタイプの人が出てきますから、読んだ人にどの登場人物が心に残ったか聞いてみたくなる本でもあります。あなたはどの人物にシンクロするのでしょうか?私としては死ぬ寸前まで「色香」のあった小山内先生(女性)が印象的。いい女でありいい先生でした。ステキです。
しかし恋愛に関しては、何歳で恋に堕ちても激しいものだな、と思いました。この本はぜひ男性にも読んでもらって感想をお聞きしたいです。特にラストをどう思うか…聞いてみたいですねー。なんとなくですが、このラストは男性ウケがいいのではと…思ってしまうのです。 |
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