先日は成人の日でしたが、今年の成人式も荒れたようですねぇ。私が成人式を迎えた(参加しませんでしたが)10年前は、「荒れる成人式」というフレーズは聞かなかったような気がしますが、どうなんでしょう?まぁどちらにせよ、「20歳だから成人」という常識がずっと前から形骸化していることは確か。そしてそういう形骸化した事柄が世の中に溢れているのも確かで、そんな矛盾にハナから気付いている若者達が、成人式という自分達が主役として振舞える初めての公けの場で暴れてしまう、それも故無きことではないのかも…と思ったりしました。
とはいうものの、だからと言って好き勝手していいということではない、というのも事実。自分一人で生きているのではない限り、周囲の人々に対する配慮が必要なのは当り前のこと。「配慮」というのを「思いやり」と言い換えてもいいのですが、この言い方だと何だか精神論的になってしまって、結局どうすればいいのかが曖昧になってしまいます。そこで登場するのが、「マナー」なのです。
本書『ティファニーのテーブルマナー』(原題『Tiffany's table manners for teen-agers』)は、デザイン画のような洒落たイラスト(森本美由紀さんのイラストみたいな)と、これまたウィットに富んだ粋な文章で、物凄くエレガントな本。それもそのはず、本書はあのN.Y五番街にある有名宝石店ティファニーが顧客にプレゼントしているものだとか。なぜマナーブックを?と思いましたが、ティファニーN.Y店では銀食器類の売上が多いのだそうで、なるほどと納得(余談ですが、私はカポーティの名作『ティファニーで朝食を』が大好きで何度も読んでいますが、主人公がゴージャスな気分を味わいたくて覗くティファニーの店内には宝石だけじゃなく食器もあったのか!と初めて気が付きました…) 。
この本にはとっても基本的なことしか書いていませんが、それだけに重要なことばかり。先日、帝国ホテルでの友人の結婚披露宴に備えて「ちょっとおさらいしとこ…」とコッソリ(笑)購入したのですが、大正解!1ページにつき1マナーしか書かれていませんが充分役立ちましたし、何よりも良かったのは「マナーとは他人への配慮・思いやり」だと気付かされたこと。 実は私は、マナーなんてどうせ形骸化してるものでしょ、という感覚が無くも無かったようで。手が飛んでくるほど食べ方にうるさかった親に対して、私の勝手でしょッ!と思ったりしたものです。けれど、周囲の人々に不快感を与えないという点において、マナーは大切。そう、マナーとは、煎じ詰めれば周囲の人々への配慮・思いやりを、How to化したものなのですねぇ。
最後に、本書はこんな粋な言葉で締めくくられています。「これで作法の心得がわかりましたから、作法を破ることができます。しかし、作法を破るには、十分社交知識の心得がいることを忘れないでください」。…こういうことをサラッとキチッと言ってくれる人が必要なのです、きっと。20歳の若者には。そして勿論、大人にも。
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