「ソニン」という歌手に、あなたはどんな印象を持っていますか?私の持っている印象は、ズバリ「苦労人」です。ソニンは、もとはといえば3人組(のちに1人脱退して2人組に)ユニット・EE JUMPの一員として、バラエティ番組に出演したり、CDデビューしたりという、いわゆる普通の「アイドル」でした。モーニング娘。で活躍する後藤真希の弟・ユウキという強力なパートナーを得て、順調にアイドルとして羽ばたきはじめていたソニンを襲ったのは、ユウキの脱走、キャバクラ騒動、そして脱退。一時は歌手としての活動もままならなくなり、レッスン漬けの日々だったといいます。そこから音楽番組『うたばん』の570キロマラソン企画を経て復活し、裸エプロンという強烈な衣装で唄った本格ソロ・デビュー曲「カレーライスの女」がスマッシュヒット。その後のドミノ企画や、続くシングル「津軽海峡の女」のイメージから、どこか哀切漂う寂しげな雰囲気が、現在の歌手・ソニンの持ち味となっていると思います。
この本では、そんなソニンを大特集。まず目を惹くのが、真っ白に塗られたソニンがどーんと登場している表紙です。そして本文では、「天然最強少女」ソニン本人が語る、今まで知り得なかったこれまでの歩みがロングインタビューで明かされるほか、プロデューサーであるつんく♂氏とマネージャー和田氏のロングインタビューも掲載。年表や公式音源の全曲解説など資料的価値もある上に、周囲のスタッフたちが明かす裏話など、ファンならずとも興味深い記事が満載です。しかし一番ビックリなのが、読者プレゼントの「ソニン手作りクッキー」!!こんなものが本当に送られてくるというあたりもソニンならでは、普通ならありえない話だと思います。
はるか昔、「ミュージックステーション」で唄い踊るEE JUMPを観た私の感想は「またキワモノ出てきたよ」でした(確か曲は「おっととっと夏だぜ!」だったはず)。まさかソニンがこんな試練に耐える羽目になり、強く、そしてしぶとく残っていくとは思ってもみませんでしたが、もしあの時ユウキが逃亡していなかったら?復帰後心を入れ替えて活動していたら?EE JUMPが継続していたら…そうしたら、今のソニンはいなかったんですよね。人生って運命のいたずらだなぁ、とつくづく思います。
それにしても、ここまで長々と語った私ですが、実はソニンのCDは1枚も持っていないし、イチオシのタレントなのか?と言われるとそうでもありません。でも、そんな「熱狂的ソニンファン」でもない私にここまで語らせてしまうだけの勢いがこの『クイックジャパン』ソニン特集に、そしてソニン自身に、あったということですね。寂しげな雰囲気と同時に、どこかマッチョで「ガッツ」という言葉の似合うソニン。これからも微妙に抜けた天然キャラと、生真面目さと、根性を武器に、幾多の困難を全て吹き飛ばして、大好きな歌を歌い続けてほしいと思います。 |