生まれながらテレパシーをもっていて、人の心が読めてしまう七瀬。彼女は能力を悟られないように、一つのところに定住することなく、お手伝いとしていろいろな家を転々とします。仲よさそうに団欒をしている家族が実はバラバラの恐ろしいことを考えていたり、人妻の浮気の心理を覗き見したり、お葬式の場で誰が何を考えているか聞こえてきたり、はっきり言って本書は相当怖いお話です。
また「会話」と(心の声)の書かれ方がとっても上手く、タテマエとホンネが生々しく語られ、人間の醜い部分がバッチリ(?)描き出されています。人の思考パターンのいろいろを、自分も読心術が使えるかのように錯覚しながら読めてかなり面白いのですが・・いやホント怖いです。誰だって一度は読心術が使えたらなぁと思ったことがありますよね?この本を読むとやっぱり普通でいいや・・と思うはずです。
七瀬は美人なため、男性からすぐにHな想像をされたり、実際お手伝いとして家に入っている主人から狙われたりいろいろ大変です。幼いころから人の心理を読んできた七瀬は、かなり冷酷な態度をとることもありますが、それも納得です。こんなに醜い部分に接し続けていれば、人間不信に・・なるでしょう。しかし、自分は絶対ズルいこと、人には言えないことを考えてないと言いきれる人はこの世にいるのでしょうか?ここまで極端に偏った思考を持っている人たち(本書で描かれる人たち)ばかりではないでしょうが、本当の人の姿を見てしまうことは実は残酷なことかもしれません。これでは七瀬が恋愛をするのも、本当の友達を持つのも難しいですね。人との付き合いは実は分からないぐらいがちょうどいいのかも、なんて思ってしまいます。分からなすぎでも付き合えませんけどね・・・。
しかし、この本に出てくる男性にはHな想像をする人がなんと多いことか!これはこれで信じられないのですが、どうなんですか?男性のみなさん?本当にこんなことばっかり考えているのですか?(笑) |