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読書日記 2004年3月31日更新
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2003/6/11
『死神くん(1)』

著 者:えんどコイチ
出版社:集英社
発行日:2002年08月
本体価格:619円
先日部屋を掃除していたときに、この『死神くん』が押入れの奥からひょっこりと出てきました。私は最近あまり感動できる本を読んでいなかったこともあり、この本を見つけたとき、掃除そっちのけで思わず読み入ってしまいました。この『死神くん』、タイトルだけを見るとホラー系の物語だと思われがちなのですが、実は涙がほろりと出てきてしまう感動的な作品なのです。

主人公である死神くんの職業はもちろん死神、文字通り死んだ人の魂を集めるのが主な仕事。そのほかにも、寿命が近い人に対して死期を告げ、後悔のない余生を送らせたり、殺人や自殺を企てている人を説得して、無意味な落命を防ぐのも死神くんの仕事のひとつ。物語は一話完結式で、人情に厚い死神くんと、身近に迫る"死"という逃れられない運命を背負った人々との交流を笑いあり涙ありの展開で描かれます。

この物語の見所といえば、やはり命の尊さ、生きることの素晴らしさを漫画を通して改めて実感させてくれるところだと思います。死神くんから残りの命が1週間だと宣告された人々は、目の前にある"死"と現実闘い、葛藤しながらも、残された時間を家族のため、友人のため、そして自分のために精一杯生き抜いて最期のときをむかえます。死神くんが死を宣告してからの余生は、短いながらもほかの人の何倍も充実した日々を過ごした、まさに大往生と言える最期ではないかと思います。

“死”という、生物が生きていくうえで決して逃れることのできない運命を、死の使いである死神を交えた独特の切り口で描くこの物語は、隠れた名作ではないかと思っています。少年漫画ということもあり、比較的低めの年齢層で設定されてはいますが、"命"を扱う物語だけにその内容は重く、大人になっても読める作品ではないかと思います。また、少年犯罪が多い世の中だからこそ、子どもにも読んでもらって、命の大切さを感じ取ってほしいと思います。今ではこのような純粋に泣ける漫画というものが少なくなってきましたが、どれも思わず涙を誘ういい話ばかりですので、最近涙が枯れ気味の方には是非お勧めしたい1冊です。

ああっ、物語を思い出しながら書いていたらまたちょっと目の前がかすんでしまいました。
【楽天ブックススタッフ 貴】


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