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読書日記 2004年3月31日更新
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2003/4/11
『プレイ(上)』

著 者:マイケル・クライトン/酒井昭伸
出版社:早川書房
発行日:2003年04月
本体価格:1,500円
「ナノテクの恐怖」と言うのでしょうか。バイオの遺伝子操作で奇妙な生物を生みだしてしまう恐怖っていうのはなんとなくわかるのですが、素材技術である(というイメージが私にはある)ナノテクで、果たして何が生まれるのか、読み進めていくうちに、「なるほど、そう来たか」と思わされました。

読むきっかけは【瑞】さんのおすすめでした。『ジュラシック・パーク』のマイクル・クライトンの最新作――というキャッチにもあまりピンとこなかったくらい無知な私だったのですが、読んでみるとさすがの大作でした。

「1ナノメートル」は10億分の1メートル、炭素原子3個分くらい、それくらいの精度を扱う技術のことです。つい最近、直径数ナノメートルという「カーボンナノチューブ」やらのナノテク素材を扱うのをテレビで見ました。アイディア次第で画期的な製品を生む可能性を秘めた技術です。それがどう人間への脅威を生み出すかということですが、一つ一つは微小で記憶領域も少ない「部品」が、総体で群れ(スウォーム)として、協調して学習し、進化するようになるのです。コンピュータ・サイエンスの、そういう分散エージェントのプログラムを仕込んだことから、制御不能な「生物」を創り出してしまうという設定で、そこが「なるほど、そう来たか」なのでした。ロボットが制御不能になって暴れまくるのなら、まだどうにかなりそうですが、相手がナノのサイズなだけに、網をかけてもすり抜けるし、防護服を着たところで、すき間からいくらでも入り込めるし、とにかく手におえないわけです。

そこで活躍するのが、そもそもの分散エージェントのプログラムを書いたエンジニア。自分の書いたプログラムが改変されて使われてはいるものの、「こういうプログラムだからこう動くはずだ」という弱点もある程度わかります。戦いは、スウォームが脅威的なスピードで進化をとげるため、時間との戦いでもあるのでした。

個体の知能は低そうなアリが、集団としては巨大なアリ塚を作りあげるのに例えられると、なるほどなと、スウォームが実現する可能性について納得させられる気がしました。専門的な人から見ると、そのへんとか、プログラムのこととか、ツッコミどころはいくつかあるんでしょうが、そういう細かいことは、技術の進歩が解決して、数年後には実現可能になっているのかもしれません。とりあえず簡単に説得させられてしまって楽しむのがよいですね。

映画化されるそうで、「この場面でのスウォームの動きがどう描かれるのだろう」と、ずっとそれが気になって、頭の中で勝手に映像化しながらクライマックスまでたどりつきました。
【楽天スタッフ 笑】


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