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| 2003/11/7 |
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『早朝会議革命』
著 者:大久保隆弘 出版社:日経BP社/日経BP出版センター
発行日:2003年11月 本体価格:1,400円
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御茶ノ水駅前の旧銀行支店跡地に女性下着専門店が出店し、ちょっとびっくりしたのはこの夏のことでした。「AMO‘S STYLE」という店なのですが、これがトリンプインターナショナル.ジャパンの若い女性向けの直営店ブランドだということを、この本を読んで知りました。ということはどうでもよいことなのですが、この本はトリンプの吉越社長の実践する経営の実務書といったものです。女性下着メーカーのトリンプは、ユニークな経営でマスコミにも何度か取り上げられているのは知っていました。この本は、そのスピード経営というか自己成長型経営というか今までにないような型の経営のエッセンスが、わかりやすく紹介されていました。残業は認めず、一年間に2週間のリフレッシュ休暇をとるなどの制度は、ある意味では究極の生産性を社員に求めるものであり、本書のメインである「MS会議(Marketing and Sales会議)」は、吉越経営のまさに具現であるのです。
会議は意思決定の場とのスタンスで、誰が・何を・何時までに・やるかをその場で決めていくのだそうです(当たり前といえば当たり前の話ですが)。特に何時までにというところでは、“デッドライン”と呼ばれる期限がつけられ、その期限を守ることが担当者に要求されます。しかもその“デッドライン”は明日とか明後日がほとんどで、重いテーマでも一週間とのことです。この“デッドライン”の設定がトリンプ経営のポイントです。これが毎日繰りかされるのですが、「スピード経営」のためのひとつの手法になっています。問題・課題の解決を先送りしないということは、企業文化そのものにほかありません。そんな企業文化も苦労して吉越社長が根付かせた様子が明らかにされています。「即断即決経営」は傍目には聞こえがよいのですが、強いリーダーシップがあってこそ成り立つものだというのが、読後感です。この本のテーマのひとつに、「意思決定のためのコミュニケーションのあり方」というものもあるとうけとりました。何事にもオープンな社風を作り、その中で、人材育成への配慮がなされた「MS会議」が鍛錬(?)の場にもなっている様子が伺えます。一方では、中途入社の人間はこのプレッシャーというかスピードに耐えられず、挫折していく人が多いというのもうなずけます。また、これと同じことをやろうとした会社も数ヶ月でやめてしまったそうですが、企業文化の根付けの難しさを感じました。
本書の冒頭から「MS会議」のライブがはじまりますが、読者にも緊迫感が伝わります。単なる会議ノウハウ本ではないので、増収増益を16年間も続けているトリンプ経営のエッセンスに触れてみるのもよい刺激です。
因みに、女性下着業界の課題等もちょっとわかって、個人的なトリビアになりました。 |
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【楽天ブックススタッフ 爺】 |
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