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読書日記 2004年3月31日更新
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2003/11/28
『豆千代の着物モダン』

著 者:豆千代
出版社:マーブルトロン/中央公論新社
発行日:2003年11月
本体価格:2,000円
ここ数年、着物ブームと言われています。着物と言っても高級でマダムな着物ではなく、若い女の子がおこづかいの範囲内でお洒落を楽しむ、そんなスタンスの着物。若い女の子向けの着物雑誌『KIMONO姫』も2年ほど前に創刊されました。アンティーク着物のお店も若い女の子で大混雑だったりします。そうした一連の着物ブームの火付け役と言われているのが、豆千代さん。高円寺にアンティーク着物のお店「豆千代」をオープンしたのが、5年前。それ以来、月末1週間だけの営業にもかかわらず着実にファンは増えつづけ、今では豆千代さんデザインの新作着物も扱うほどの人気店になりました。アンティーク着物店があまたある中、豆千代さんがスペシャルな存在として脚光を浴びることになったその理由は、彼女のセンスが今の私達の気持ちにピッタリくるものだったからではないでしょうか。彼女のお店で扱う商品は、殆ど1万円前後という安さ!そして彼女のコーディネートは、洋服のセンスを着物に応用したような独特の可愛さ!そう、私達は「安くて、センスのいい着物」が欲しかったのです。

そんな豆千代さんのコーディネートの数々が、今回初めて一冊の本にまとめられました。「ピクニックのロッタちゃん」「ゴア気分」「レコ・ガール」など、楽しいテーマのコーディネートがたくさん。私はシンプルな着物が好きなので、「鉄腕アトムの街」が一番好きです。また、ラクチンな着付け方やコーディネートのコツも掲載。ここで私が豆千代さんらしいなぁと思ったのが、〜ねばならない的な決めつけを決してしないこと。着物って、着方は人それぞれなんですよね(洋服と同じで)。だから「これはあくまでも私の個人的意見なので、参考程度にしてくださいね」という配慮がされているのが、読んでいてとても気持ちがいい。そう、豆千代さんがこんなに人気がある理由の一つに、彼女の人柄が挙げられるように思います。いや、それはもしかして最も大きな理由の一つなのかもしれません。

私が初めて豆千代さんのお店に行ったのは、2年ほど前。何度かお店に行ったことがありますが、それほど何度も通っているわけではありません。けれど、豆千代さんは必ず私を覚えていてくれて、そしてきちんと目を見て、にこやかに対応してくれるのです。…お店を経営しているんだから当り前と思うかもしれませんが、そうじゃないお店のいかに多いことか(笑)。私もちょっと着物のお店で働いていたことがあるので、その難しさというのがよく分るのです。数ヶ月前、たまたま高円寺のカレー屋さんで洋服姿の豆千代さんにバッタリお会いしました。私は全く気が付いていなかったのですが、豆千代さんの方から挨拶してくださって、「また遊びに来てくださいね」とニッコリ。もう半年以上もお店に行ってなかったのに…。とっても嬉しかったですねぇ。豆千代さん人気の秘密って、センスの良さにあるのはもちろんなんですが、実はこういう人間的魅力にもあるんじゃないか、そう思うのです。

そう言えば、「着物は人柄が出る」とよく言われます。着物の店で働いていた時、それも一理あるのかもしれないなと思いました。スタッフはみな着物を着ていましたが、穏やかな性格の人は柔らかい着方をしたり、キツイ性格の人は一寸の隙も無い着方をしたり、元気のいい性格の人は勢いのある着方をしていたりしていたように思います。私はどうだったんでしょう…。自分ではわからないのですが、理想としては「筋がとおっているけど柔らかい」そんな着方ができたらいいなと思います。自分の筋は通すけど周囲には柔らかい、そんな人が理想なので…。でもなかなか難しいことなので、年とともにそうなれたらいいなと思っています。そういう意味で、豆千代さんが本書で書いていた「老いを目標にする」ということに通じるのかもしれません。そう、着物って、年をとるのもなかなか悪くないと思える文化なのです。銀鼠色の江戸小紋をイヤミなくさらりと着こなすには50歳過ぎないと駄目かなぁ〜あと20年か…っていう世界。楽しいですよ(笑)。

【楽天ブックススタッフ 寺】


【読書日記】では、楽天ブックススタッフが自分たちの読んだ本を日記形式で紹介していきます。

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