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| 2003/1/30 |
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『世界暗殺者事典』
著 者:ジョージ・フェザリング/沢田博 出版社:原書房
発行日:2003年02月 本体価格:2,900円
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まず何よりもタイトルがすごいです。原書房からはこの他にも『処刑と拷問の事典』とか『図説不倫の歴史』とか『タブーの事典』とか『魔女と魔術の事典』とかそれはそれは数限りなく“知ってて何のタメになるのかよくわかんないけど、野次馬根性が触発される本”が山のように出ているのです。毎度毎度新刊案内を赤ペン片手にチェックしていて、思わず引っかかってしまいます。私のような素人には「それがどうしたの」という知識に過ぎませんけど、歴史書としては多分素晴らしい資料価値があるのだと思います。多分ですけどね。
歴史の教科書を読んでいても、ちまたにあふれる知識でも「暗殺された人」に脚光が当てられています。でも、実際は暗殺者がしでかしたことも同じくらい歴史に影響を与えてきたのです。(と、言ってもこの本は暗殺者礼賛の本ではありません。あしからず。)だから、記載はあくまで暗殺者単位。後ろに犠牲者索引もついているので犠牲者からも探すことができますが、未遂に終わったのも入ってますので何度も殺されかけているヒトラーなどは8回も登場してます。ちなみに何度も殺されかかった記録保持者はシャルル・ドゴールの31回なんだそうです。
一方で、報酬目当ての殺し屋はプロなので記録に残るのは非常に少なくなります。組織として暗殺を行っているものもあるでしょうし、それなりの訓練を受けているものは真剣に逃亡します。暗殺回数記録というものを出すことができたら、きっとゴルゴ13並のスゴ腕スナイパーとかが出てくるに違いありません。昔の暗殺は毒殺が主流で、次第に遠方攻撃に移ってきています。そして案の定権力闘争のために行われた暗殺というのもうじゃうじゃ。昨今は愛憎の果てにとか、イデオロギーのためにとかそういうのが増えています。中には「女の子に振られたから有名人を殺そうと思った。」という不届きな輩もいました。
殺人を美化するつもりはありませんが、独裁者の略取や横暴、虐殺などの非道に耐えかねて暗殺に立ち上がったケースにはやはりなんらか心を動かされるものがあります。実際にその人の行為のおかげで救われた大変多くの命もあるのでしょう。ただ暗殺者のほとんどは不遇の人生を送っています。それでも、彼らの行為に光を当ててあげられたこの本に意義を感じたのでありました。とにかく野次馬根性がきっかけでも、歴史への興味を持てるのはいいことです。そしてこういう本を出し続けてくれる原書房は偉いっ! |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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