新しいことを始めるのは、とても楽しいことです。うまくコトが運んで成功したからこそそう言えるのかもしれないけれど、どうせ、思い出というのは楽しいことが強く残るもので、そんなに心配しないでがんがんいっちゃえばいいんでしょう。
「ソニー銀行インサイド・ストーリー」とサブタイトルにあるように、インターネット専業銀行であるソニー銀行を開業するまでのお話です。立ち上げ時期に、仕事が山のようにある中で「はじめての銀行のつくりかた」というメール・マガジンを発行していたのが、1冊にまとめられました。
銀行には免許が必要だ、どうやったらもらえるんだろう。そこで「あの〜、銀行をつくりたいんですけど」と金融監督庁にたずねていくとか、体当たりで新しいことにチャレンジしていくさまが、とても楽しそうです。そう、ほんとに楽しそうなのです。苦労した、つらかった、というクライ感じの話はなくて、わくわく感がいっぱいで、それがこの本の魅力です。
実際、著者の十時さんは、開業までの過程を「楽しんでいた」ようです。その明るさも、新しいことに挑戦するには大切です。そして、まずは始めるときの勇気。「チャレンジとは勇気なのだと知りました。でも、もしかすると、それはけっして大げさなものではなく、少しの勇気で始められることなのかもしれません」――あとがきにはこうありました。十時さんをはじめ優秀なスタッフが集まり、少しの勇気を持って、苦労はからっと笑ってすませ、成功にこぎつけたのでしょう。
もう一つ印象的な言葉がありました。「ソニーにずっといると分からないだろうけど、この会社のすごさは『チャレンジャーに優しい』ってことなんだよ」。懐の深い会社ですね。「チャレンジ」を経験できることはうらやましいことで、私も何かチャレンジを楽しみたいと、そんな勇気の糸口をもらえるような物語でした。
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