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| 2002/6/28 |
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『虹』
著 者:吉本ばなな 出版社:幻冬舎
発行日:2002年05月 本体価格:1,400円
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実は波乱万丈な人生を送っているのに、主人公(瑛子・27歳)がいい意味で醒めていて淡々としているので、読みやすいお話です。つまりはいつもの吉本ばななワールドが展開。感情ドロドロのお昼のメロドラマのような「黒さ」がなくていいんです。タヒチ旅行から生まれた小説ということもあって、読んでいるとキレイな色にかこまれているような気分になれます。気持ちいいですよ。
タヒチレストランで働く主人公とレストランのオーナーはゆっくり恋をします。オーナーは結婚しているのでつまりは「不倫」。でもこの小説には黒い感情、暗いテンションはほとんどでてきません。もちろん恋にはいろんなことがあってキレイな感情ばっかりではないとは思います。が、ワイドショーや昼メロのようにB面(黒い面)ばっかりにフォーカスしていたらやはりそっち側に引きずり込まれると私は思うんですよね。同じことがあってもとらえ方、対処の仕方で幸せか不幸せかが決まっちゃうわけですから。
ばななさんの小説は常に物事のA面(白い面・明るい面)にフォーカスしているから好きです。きっとばななさんは幸せな人なんでしょうねー。それはラッキー(幸運)な人というのとはちょっと違います。
幸福人とは、過去の自分の生涯から、満足だけを記憶している人びとであり、不幸人とは、それの反対を記憶している人々である。 ─萩原朔太郎 |
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