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| 2002/6/13 |
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『狐闇』
著 者:北森鴻 出版社:講談社
発行日:2002年05月 本体価格:1,900円
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市で競り落とした青銅鏡がいつの間にか三角縁神獣鏡とすりかえられて、それと同時期に身の回りにおきる不可解な事件と暗躍する怪しげな人物たち…光の加減で三角縁神獣鏡に映し出されたのはなんと八咫烏!じゃあもしかしてこの鏡は八咫の鏡!?そんな感じで今回も冬狐堂こと宇佐見陶子の戦いが始まります。一連の問題が提示され終わった頃にはすっかり謎に吸い込まれ、読み終わるまでに2回も電車を乗り越しちゃいましたよ、まったく…
そもそも『狐罠』の続編となっていますので、こちらを未読の方は読んでからの方がより楽しめると思います。さらにファンにはたまらないことに、『凶笑面』の蓮丈那智と内藤三國『孔雀狂想曲』の雅蘭堂。あと美味しそうな料理とビールを出してくれるビア・バーは『花の下にて春死なむ』の「香菜里屋」じゃああるまいか・・と、これでもかというほどの北森キャラ盛り沢山なのです。と、いうわけでこれらをすべて読んでからだともっと面白く読めるはずです。(本屋らしくちょっと販促)
骨董の世界が舞台いうことで、前回がどちらかというと繊細な壊れ物商品を扱っていたのに対して、今回は古美術商品が多かったようです。そしてまた、陶子さんもよりタフになってより強くなっています。八咫烏が出てきた事からもわかるように敵も強大!国家的な企みも垣間見え、ますます話は壮大な方向へ…残念なことがいくつか。話の向こうが見えない前半にいくつか殺人が起こっているのですが、後半に国家レベルの話が出たことで印象が薄まってしまった感があります。あと、ファン的には嬉しかった北森キャラオンパレードが禍して陶子さんの活躍が光りきらなかったかなと。ひとつの鏡から導かれるミステリが蘇我や物部といった一族の話にまで広がっていくには400ページは短すぎたのかもしれませんね。
取材力に定評のある北森さんらしく、臨場感のあるプロ同士のやりとりには思わず息をのむ場面もあります。一方で難しい言葉を少しでも簡単に…という配慮が見えるあたりが非常に好感を持てました。だから骨董初心者も普通に楽しめますからご安心を。全然関係のない話ですが、陶子さん行きつけの“三軒茶屋のビア・バー”が気になってなりません。(ちなみに楽天ブックスのオフィスは祐天寺にあります)モデルとかあるんでしょうか?知ってる方こっそりと教えてください。・・・あぁやっぱり食べ物の話になってしまった・・・ |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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