私の高校時代の同級生が寿司屋を営んでいます。20代にして一国の主、「大将」です。寿司屋のカウンターに座ってお好みでたらふく食べる、なんてそう簡単にできることじゃありません。が、「同級生」をいいことに友人の家に遊びに行くような感覚で彼の店をちょくちょく訪ね、その日築地の魚河岸から仕入れたばかりの新鮮な魚をつまみに一杯。そして(ツケを返済するため・・?)店が忙しく人手が足りないときは手伝いを。普段はパソコンに向かって電卓を叩いている、寿司屋のことを何も知らない私が慣れない手つきで客商売。いくら同級生とはいえどもこれでいいのか?そんなとき、書店でふと目に留まったのがこの『寿司屋のかみさん とっておき話』でした。
作者の佐川芳枝さんはOL時代に東中野にある「名登利寿司」のご主人とお見合いし結婚。その後30年近く「寿司屋のかみさん」業の傍らカウンターの内からみたとっておきのネタで執筆業もなさっている大変パワフルな女性なのです。そんな彼女の素顔に親近感をおぼえ思わず全作品を読破してしまいました。
私たちが同級生の「寿司屋の大将」に聞けなかった、そしておそらく彼も言えなかった寿司屋の本音やうら話、そしてショーケースに並ぶ活きのいいネタの美味しい話。これらを全て寿司屋のかみさん・佐川芳枝さんはご自身の著書の中で教えてくれています。
おまけにおかみさん自らが明かすマナーやタブーのQ&A付きです。寿司屋のカウンターにちょっと遠慮がちなアナタもこれを読めば安心して美味しく食べられます。私も「寿司屋のかみさんシリーズ」をバイブルに今度は同級生の特典はいっさい抜きにして大将の店を訪ねてみたいと思います。おかみさんに教わったことをネタにちょっと粋な会話をして大将を驚かせてみたいものです(ちゃんとお勘定も払います)。今度、店を手伝うときは気持ちだけは「寿司屋のかみさん」に近づくことができている・・ハズ。 |