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| 2002/4/2 |
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『目下の恋人』
著 者:辻仁成 出版社:光文社
発行日:2002年01月 本体価格:1,300円
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辻仁成の初の短編集。「一瞬が永遠になるものが恋、永遠が一瞬になるものが愛」というあおり文句と、井川遥の初主演ドラマ「愛の手前恋のとなり」(テレビ朝日系)の原作本ということが気になって手に取りました。
タイトルからして恋愛ものだろうなー、でも男性作家の描く女性像ってあんまり好きじゃないんだよなー、などと思いながら読み進めると、それでも10篇の短編の中で一番女性主人公に共感できたのが、表題作の「目下の恋人」でした。
主人公・ネネは、付き合って2年になる恋人・ヒムロがいつも友人たちに自分のことを“目下の恋人”と紹介することに不安を感じています。でも、それを表立って人前で口に出すわけではなく、笑ってやり過ごすことでプライドを保っている様子が、「もう〜!」とじれったくもあるけれどわかるなぁと思ったり。意を決してヒムロに問いただすくだりも、稚拙な言葉選びからその必死さが伝わってきてかわいいです。
しかしその後、ヒムロの祖父母の暮らす家を訪れて、「目下の恋人」という言葉の真の意味を知ることになるわけですが、この祖父母とのやりとりがすっと心に染みてくる感じでした。
ずっと誰かの「目下の恋人」で居続けることが、私にも出来るのでしょうか? |
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