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| 2002/4/15 |
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『花伽藍』
著 者:中山可穂 出版社:新潮社
発行日:2002年02月 本体価格:1,400円
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いつものように通勤電車の中で本を広げぼーっと本を読み始めました。中山可穂の第一短編集だそうで、冒頭短編は【鶴】というお話。和太鼓を叩く人と夏祭りで出会った女性が出会ったところから話が始まり、気がつくと2人とも女性であることに気づきます。まあこの辺までは良かったんです、そういう小説であることは前に読んだ『白い薔薇の淵まで』の時に気づいていましたから…ノン気の人妻、田鶴子に狂おしいまでの恋をしてしまった“わたし”。果てることのないセックス描写が始まります。割と過激です。生々しいです。朝の電車の中で慌てて本を閉じてまわりを見回してしまいました。(赤面)いやらしいというのではないのです。冷静沈着な筆が生々しい言葉を書き連ねていく…そのことが何だかとってもぞくぞくしました。
同性を愛するという事がよくわからない私には、この作者は見たことのない世界を目の前に広げてくれる人です。(とはいえ、異性を好きになるという事がわかっているかというと、それもまたあやしい)5篇の短編のヒロインたちは狂気としか思えないほど相手を愛していて、それはもう確実に「命を縮める」恋愛のようです。男女の恋愛には結婚・妊娠・出産というひとまずの通過点とゴールが用意されているわけですが、女同士だとそれがない。束縛と嫉妬の積み重ねで憔悴しつつも愛することをやめられない…という繰り返しを目の当たりにしているとこちらも苦しくなってきます。
「愛されるより愛することの方が楽だ。」と言ってのける知人がいます。その時は「ふーん、そんなもんかなぁ」と納得しそうになっていたのですが、これを読むとそうじゃないかもしれないなという気分になってきます。でも、穏やかな気分で愛されているとのほほんとしていたら、相手はこうやって身を焦がしてた…っていうパターンは大変でしょうね。目の前で繰り広げられる濃密な恋愛模様にすっかりあてられてクラクラしてきました。中山可穂という人の小説は禁断の扉です、面白いし胸にも刺さるけどその刺激が強すぎるので半期に一度くらいにしておこうと心に決めてみました。引きずり込まれると刺激のない平凡な恋愛が出来なくなりそうです。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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