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| 2002/4/1 |
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『プリズンホテル』
著 者:浅田次郎 出版社:徳間書店
発行日:1993年02月 本体価格:1,400円
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ようやく、以前読んだ『王妃の館』が“フランス版プリズンホテル”と呼ばれるわけがわかりました。浅田次郎さんの作品は読んでいる方だったので今更この初期作品を読んでないとも言えず、しらを切って読んだフリをしたこと数回。でも今度こそ読みました&さらには次作にもとりかかりました。
浅田次郎さんの小説にはつきものの「笑いながらもホロリときてしまう場面」が満載の本書、それを最大限に味わえなかったのはこれを貸してくれたTさんのせいです。とても感激屋さんの彼とはここのところよく本の貸し借りをしていたのですが、ひとつだけ大きな欠点があります。それは読んでいる途中途中の名場面と感動を“ついつい”しゃべってしまうこと。「読んでないんだから話さないで!」という私の叫びは簡単に無視されて、泣けるポイントを心ゆくまで話されてしまったのです。がくり。
プリズンホテルとは極道の経営するホテル。決してぼったくりをするとかそういうことはなく、不器用ながら真摯な接客をしてくれます。そんなホテルのことですから、極道の団体旅行にはもってこい!【2泊3日ソフトボール付き】という極道のみなさんにとってはとっても嬉しいツアーが組まれたりします。来る者は拒まず、どんなワケアリの人でもOKということで、本当にワケアリの人々が集います。今宵は大曽根親分以下の団体と、オーナーの甥の偏屈な小説家(この偏屈ぶりは並じゃない!)大手商社を退職したばかりの夫と、彼と離婚しようとしている妻。一家心中を目論む家族、そして幽霊までもが集まったドタバタ劇!その収拾をつけるためにとったこれまた笑いを堪えることが出来ないご都合主義と大団円はこれぞ「娯楽小説」という感じです。
欲を言えば心中家族についてもうちょっとじっくり書いてほしかったですね。前半の娘さんの一言にじーんと来た人にとってはちょっと尻切れトンボ感を否めないかも。人をじっくり書いたことで、長さが1.5倍になったとしても私は文句は言いません。次作が楽しみです。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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