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| 2002/11/29 |
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『首飾り』
著 者:雨森零 出版社:河出書房新社
発行日:1995年01月 本体価格:1,262円
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子どもから大人になるということ、絶妙な三角関係・・テレビもない田舎の山奥で、純粋培養された育った3人の子どもたちのお話です。
子どもは3人だけの、街から遠く離れた虹沢という美しい山奥。木に登り、沢で泳ぎ、イワナやヤマメを捕まえて食べ、ヘビを殺して遊んで(あぁ時に子どもはとても残酷・・)育った、れい(男)秋(男)なな(女)。お風呂も一緒に入って育った3人も中学に通うようになり、身長の伸びだけではない体の変化を感じはじめます。そしてある嵐の夜に・・・。
私は小学生の時の夏休みに山奥に住んでいる親戚の家で過ごしたことがあります。テレビもラジオもなく、玄関のドアなんて閉めたこともない家。2〜3歳ぐらいだった従妹は服を着るのを嫌がり、裸で駆け回っていました。(今では立派なレディです)ところが街の生活で「もやしっこ」として育っていた私は、十分に山生活を楽しむことができませんでした・・。虫は嫌いだし、ヘビは怖いし。でも「蛍」が家の前に大群でいた風景は今も忘れられません。そして星が降るのを見ながら入ったお風呂はなんと気持ちよかったことか!大人になってあの生活の、あの景色の贅沢さがようやく解かりました。
本書は自然の描写が素晴らしく、小説の世界に浸りながらキレイな風景を想い描けます。また、主人公の3人の純粋さもキラキラと輝くように美しく、また時に残酷です。3人の関係がどうなっていくのか気になって一気に読了。全体的に切なさが漂う美しい1冊です。 |
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