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| 2002/11/13 |
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『カシコギ』
著 者:趙昌仁/金淳鎬 出版社:サンマーク出版
発行日:2002年03月 本体価格:1,600円
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「今日はお腹の調子が悪いなぁ・・」そんなときは胃に優しいうどんや雑炊を口にしますよね。これを読書に例えると、「最近、気持ちが弱り気味。こんなときはココロに優しい軽いタッチの本を読もう」となるのが普通です。
私の今回の選書は、胃がものすごく荒れているにもかかわらず、メニューに唐辛子マークが3個もついているようなダッカルビから始まり、最後はキムチチゲで締めた、といったところでしょうか。キーワードは「刺激的で泣ける」。
無償の愛。理屈ではわかっていたつもりですが、そんなものが実際この世に存在するわけがない、と心のどこかで冷めた思いがありました。みんな「愛するより愛されたい」はず。恋愛しかり、友愛、家族愛、人類愛・・この世に存在する愛について人間だれでも与えた分だけ見返りを期待しているのではないだろうか、と。
しかし、ここにありました。大地のようにあたたかく空のように雄大で海のように深い無償の親子愛の物語が。 女性という性は自身の胎内で新しい命を育むことができます。トツキトウカという永い月日をかけて自ずと「母性」なるものも芽生えていくのでしょう。
では、男性という性にはいつ、どうやって「父性」が誕生するのでしょうか。
主人公のチョンにそう尋ねると、おそらく彼は笑って言うでしょう。「さあ。それは私にもわからない。ただひとつだけ言えることは、生まれたばかりの息子を初めて抱いたとき、私はただただ不思議で、胸が震えるだけだった。でもすぐに、この日は私の生涯のうちで最高の日だということがわかったんだ」
韓国料理は辛いけど美味しい。汗とともに身体の老廃物が流されていく感じがします。この韓国小説『カシコギ』は痛いけど美しい。涙の浄化作用によりココロの傷口が癒されていくという効能があります。でもかなり痛い。良薬口に苦し、の覚悟は必須です。最後に、この小説のタイトルである『カシコギ』という魚の生態をご紹介します。――カシコギという魚のオスは、メスが産み捨てた稚魚を必死に育て、子が成長すると自らは死んでいくという。
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【楽天ブックススタッフ 由】 |
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