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読書日記 2004年3月31日更新
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2002/10/16
『世界音痴』

著 者:穂村弘
出版社:小学館
発行日:2002年04月
本体価格:1,300円
吉野朔実さんの書評マンガ(?)ファンなので、そこによく登場する「穂村弘」さんという名前は知っていました。短歌を詠む人だと言うことも知っていました。同じようによく登場する「春日武彦」センセイと同様になんだかとても面白そうな人だなぁと思っていて、いつかその作品を読みたいものだと考えていたのです。ようやく読めました。

一言に言ってしまえば、穂村弘さんは面白い人というより変な人です。でもこんな人がいることを確認すると私はとてもほっとするのです。穂村さんは、子どもの頃1999年に自分が何歳になっているかを考えていたそうです。でも、このくらいのことだったら誰でも考えますね。私だってその時後悔しないですむように、早く社会人になって結婚して死ぬ時は愛しい人の胸の中で死んでやると固く心に決めていました。でも、あれから3年経ったのに、社会人になることしか実現できていません。人生なんてそんなもんです。
点滴が終わる瞬間「あれが全部なくなると、次は空気が入ってくるんじゃないか」と恐怖に怯えるところも私と同じです。あの瞬間が怖くて、どんなに具合が悪くても点滴は拒み続けた時代がありました。でも本当は注射は全部嫌いです。

そんなこんなで、穂村さんのちょっとずれた日常感覚と短歌を楽しめる作品集です。よく、子どもの素直な驚きに満ちた詩集や一言集みたいなのがありますが、どこか人の気づかない視点を持っていないと面白い短歌も書けないのかもしれませんね。でも読むにつれ、どこか自分との類似点が見えてくるのです。「あ、似てる。でもここまでひどくない…」こうやって自分がまだ一般寄りであることを確認している瞬間はちょっともの悲しいものです。

同じものを見ていても、考えることは様々なんだなぁということをこういうエッセイを読むと改めて考えます。だからこそいろいろな人に出会うのは面白いし、会った人がしょーもない理屈の持ち主だとそれを聞いているだけでも飽きません。穂村さんは自然さを持てないために世界に溶け込めない自分を「世界音痴」と言っていますが、いやいやどうして、それに気づくことが出来る感性がステキです。
【楽天ブックススタッフ 瑞】


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