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| 2001/9/5 |
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『カラフル』
著 者:森絵都 出版社:理論社
発行日:1998/07 本体価格:1,500円
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読むに至ったきっかけが人からの紹介であったこともあり、実は相当身構えて読み始めたのです。だから冒頭部分でオチが見えてしまったし、期待が大きすぎただけに感動が物足りないなぁ〜なんて気分で読み進みます。(心で読まずに頭で読んじゃったんですね)必至で理屈をこねくり回そうとしていた自分にピュアな言葉が飛び込んで来たのはどこからだったのか・・考えてみても分からなかったのですが、読み終わった瞬間にはなぜか目の淵に涙が!(ちょっと最近涙のインフレ気味かしら?)そうなると、読み落とした感動が勿体なく思えてしまいもう一度読み返してしまいました。
何らかの大きな罪を犯して魂になった“ぼく”は天上界の一方的な抽選によって自殺した小林真という少年としてのやりなおし(ホームステイ)を命じられます。ガイド役のプラプラから告げられる小林真の死の動機は【初恋の人の援交現場を目撃】【母親の不倫を目撃】【利己的な父親の姿を知ってしまう】という不運のオンパレードでした。「ま、でもどうせ人のカラダだし・・」と気軽にホームステイを始めたぼくの使命は前世の大きな罪を思い出すことでした・・・
“ぼく”はやり直しを命じられた瞬間から前世の記憶を失っています。で、ホームステイ先である小林真の体は一度人生を投げ出している。お互いにとってゼロからのやり直しが演じられるワケです。昨日までの自分をやり直したいことなんて山のようにあるわけで(特に二日酔いの朝なんて毎回そんな気分になっちゃう)、後悔なんて先にたたずというよりは後を絶たずという感じ。でも、ちょっと大人になってしまった私には目の前に敷かれた日常というレールが見えていて、やり直しなんて出来るもんかと思っています。人の人生だと思うから生き生き有意義にやり直しをしていくぼくの姿はとっても微笑ましいものでした。
もしかしたら、大人になることでレールから降りることと、他のレールを探すことを混同していたのかもしれません。ぼくの自分探しに触れながらしみじみとそんなことを考えています。
この本には中高生の頃ものすごく漠然と悩んだテーマが満載です。「もしあの時この本に会っていたら・・」と思って地団駄を踏みましたが、出版されてないのですからどだい無理な話ですね。そろそろ多感なお年頃を迎えるお子さんをお持ちのご両親、予防注射だと思ってこの本を持っていて下さい。効きます!!
難しい言葉に大きな感動が宿るわけではないことを再確認した一冊でした。何も難しい事を考えて読まなくても、いろいろなセリフに心のどこかが素直に反応してくれます。等身大の物語だからこそ味わえる思いなのかも?と思うと共に、この物語を受け止める事ができた心のピュアな部分に感謝。この話に引き合わせてくれたニジンスキーさんには大感謝です! |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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