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| 2001/9/17 |
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『泣く大人』
著 者:江國香織 出版社:世界文化社
発行日:2001/07 本体価格:1,200円
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誰もがそうなのでしょうが、人をすきになるとその人のすきなものもすきになれたりするので、ちょっと心が広がった気分になります。恋愛感情が入ると独占欲とか嫉妬心とか余計なものもついてくるため、その寸前くらいの関係がとってもよいのです。そういう人達に、巷で見つけた素敵なこととか面白い出来事とか、時にはグチとかをぽろぽろこぼして聞いてもらっているたわいのない時間が私の一番の憩いの時間です。(でもそういう人に突き放されると想像を絶するショックが訪れたりもする)
素敵なエッセイを読んでいると時々そんな時間を思い出します。特に江國さんのコトバには私なんかが等身大に感じられるセリフや想いが多くて、気持ちのいい風を吸い込んでいるようでした。でもやっぱり小説以上にミステリアスな江國さんがそこにいました。
愛する犬とだんな様との生活を描きつつ『男友達の部屋』の中では自らの男性観を語ります。“男友達”とはこうあるべきだ・・というこだわりがほとんどなのですが、登場してくる男性がとっても素敵な人ばかり。彼女は男友達と気軽に飲みに行ったり、植木をあずけたり、男友達の彼女から「彼が浮気をしたの」なんて話を聞いたりします。夫だと許せないことも男友達だと許せる。年齢とかも関係なく友達は友達。ううむ、良い関係。
井戸を欲しがったり、鮫の歯を欲しがったり、はたまたロバを欲しがったりという欲しいものについて書いた『ほしいもののこと』ではちょっと不思議な江國さんの視点が存分に発揮されています。でも何について書いていてもびっくりするくらい素直な物言いでとても気持ちがよいものなのです。それはきっと江國さんの他者にこびない言葉だからのかもしれません。
とげとげした毎日の中でちょっと優しくなれるひとときをいただきました。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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