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| 2001/9/13 |
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『鱗姫』
著 者:嶽本野ばら 出版社:小学館
発行日:2001/04 本体価格:1,200円
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実は先日の【帆】ちゃんの書いた『カフェー小品集』の読書日記を読むまで、嶽本野ばらというひとが男の人だとは知りませんでした。何たって乙女のカリスマなのです、オトコであるはずはない!と。それに著者近影をみてもちょっと中性的だし(ちょっと宝塚っぽい)
嶽本野ばらとの出会いは『ミシン』まで遡ります。すいこまれそうなブルーの表紙に惹かれて手に取ったデビュー作の印象は「なんとなく変な本」でした。結局読まずに棚に戻されて数ヶ月が過ぎます。そうこうするうちに“嶽本野ばらって凄いよね”などという風評が飛び込んできたのです。う・・出遅れた、と後悔することしきり。さらには気紛れにメールをうってくれた本の師匠の「嶽本野ばらのミシンも良かった」の言葉。そうしてわたしは乙女のカリスマの前に陥落したのでした。『カフェー小品集』を読んでみて何となくやわらかで不思議な雰囲気がたまらないなぁと思って、その次に手に取ってしまったのがこれ。どうやら順番を間違えたようです。
何たってウロコ姫なのです。想像はしていたものの(覚悟もしていた)、あまりの乙女ちっくな物語のはじまりにこんなホラーじみた展開が待っていようとは・・
正真正銘の乙女がこの小説の主人公。自分の美しい肌を愛する彼女は日焼けを極端に嫌い、太陽の下での体育の授業は全て欠席という念の入れようです。エリザベート・バートリーが美しい肌を持続させるために若い乙女の血を欲したなんて話に深く感銘をうけるあたり、やっぱりただ者じゃぁありません。でも、彼女には大きな秘密があります。この秘密が読み手にさらされる頃から物語は加速し登場人物たちがちょっとずつ崩壊を始めます。とにかく徹底的に女性という(いや、乙女という)性を追求した本なのですね。美しさと美しいものにかける執念を感じつつ、どっぷりと背景が薔薇の世界にはまっていくのでありました。
とりあえず『ミシン』を読むまで“野ばらちゃん”を評価するのはやめようと思います。が、しかし、やっぱりもの凄いものを感じずにはいられません、私が感じたもの凄いものの正体を才能と呼ぶのかもしれません。何より男性陣の感想を聞いてみたいものです。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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