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| 2001/9/11 |
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『長い腕』
著 者:川崎草志 出版社:角川書店
発行日:2001/05 本体価格:1,500円
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島汐路というゲーム開発会社に勤める女性が主人公のこの話。インターネットの世界と過去からの因習や建築、デザイン、ゲーム制作の裏話とさまざまなツールが噛み合って出来ています。ひとつひとつはありきたりのキーワードなのですが、てんこ盛りになったことで賑やかさが出ているかもしれません。
いつもながらで恐縮ですがやっぱりネタばれしそうな気がするので未読の方、ご注意下さい
横溝正史ミステリ大賞受賞作ということでバリバリのミステリなのですが、終盤になって明らかになる犯人にはびっくりさせられました。(おいおいそりゃないんじゃないの?という意味も大いにあります)しかしながら、この事件の犯人には大いなる黒幕がいて、真犯人を犯行に追いやった歪みを作った過程が一番の見どころですのでそちらを楽しんで頂ければと思います。
私が一番興味を持って読んだのは、ゲーム制作現場の様子でした。徹夜続きでヘロヘロになったスタッフが多い制作現場や崩壊間近のプロジェクトに対して的確な指示を飛ばすチーフの姿。うわぁどこかで見たなぁ・・と数ヶ月前を思い出しつつも、ゲーム制作の裏側が垣間見えて非常に面白かったです。これがあったおかげで割と前半部分からのめり込めたかも知れません。一般的には本編とは今ひとつ関係のない説明文が多いため退屈する可能性大です。
インターネットを舞台にした小説は数多くあれど、旧家の秘密とか過去の大事件などが絡んだからこその横溝正史賞なんでしょうね。インターネットを駆使して犯人を追いつめていく汐路は非常に格好いいのです(特に男子中学生と出会ってハードディスクの中身を盗むよう指示するところなんか妙齢の女性とは思いがたい)が、しかし追いつめられる犯人の方が今ひとつ物足りなかったような気が・・直前に起こったストーカー事件に大きなインパクトを奪われた気配もあります、やっぱりちょっと詰め込み過ぎだったんでしょうか?
どこかで聞いた記憶もあったのですが、ゆがみのある家は危険なんですね。(だから斜め屋敷でも犯罪がおこったの?※未読)ウチの実家はそうとうゆがんできたみたいなんですが意図的な歪みでなければ大丈夫なのかとちょっと心配です。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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