『ぶたぶた』シリーズを読み始めて3作目。ついに原点にたどり着きました(要は新しい本から読んでいったということです)内容は【初恋】【最高の贈りもの】【しらふの客】【ストレンジガーデン】【銀色のプール】【追う者、追われるもの】【殺られ屋】【ただいま】【桜色を探しに】の9編。一番哀愁漂う内容だったのではと思っています。
あいかわらず、ぶたぶたはいろいろな職業についていて、タクシー運転手だったり、レストランのシェフだったりと器用な所を見せてくれています。今回独特だったのは「僕にはぶたのぬいぐるみに見えるんだけれど・・・」という人の多さです。それに対して「見えるままに見ればいい」と何となく哲学的な返事が返っていたのが非常に印象的でした。そうか、そういう読み方もあったのか!とちょっと新鮮な驚きがあります。
対する人間の方も今回は割とせっぱ詰まった人が多くて、【殺られや】なんてのは“誰か殺したい人が出来たときにぶたぶたがかわりに殺される”というすごい展開です。ぬいぐるみだけに、火で焼かれる以外は刺されても切られても、首を絞められても平気なのですが、どんどんぼろぼろになっていくぶたぶたを見て、生の尊さを学ぶという深い話になっています。
誰もが気になるぶたぶたの奥さんも登場します。どうやらその出会いにも深い所以があるようで、気付くと作品全体が複雑に絡み合っているあたり、なかなか上手いなぁと思わされます。
でも、ぶたぶたシリーズはやっぱり理屈抜きで楽しめる所が一番の魅力です。誰にとってもぶたぶたのような存在っているんですよね、きっと。そういう人に気付くことが出来るかもしれません・・ |