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| 2001/6/22 |
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『口笛吹いて』
著 者:重松清 出版社:文藝春秋
発行日:2001/04 本体価格:1,476円
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毎日ぐずぐずの空が続きますね。楽天ブックスは目黒川沿いにあって、雨が降ると日々増水の恐怖にさらされています。雨の日には版元さんから「流されてませんか?」という電話が来たりしてなかなかスリリングです。しとしとでもざんざんでも、雨が降っていた空が晴れていくのは気持ちのいいものですね。この『口笛吹いて』はそんなイメージの小説です。
今回もお父さんは頑張ってます。でも、リストラされたり奥さんに出ていかれたり、それはもう雨模様な人生に足を踏み込んでしまっています。その背中には読んでいるだけでも哀愁が漂っているようで、こちらも何となくどんよりしたやるせない気分になってしまうのですけれど、そこはやっぱり重松さんの凄いところ。読み終わってみるとちょっと元気に前向きに一歩踏み出してみようかという気分になっているのです。暗雲はどこかに行ってしまったわけではないのだけれど、雲の切れ間から光が差してくる。雨上がりの空をみながらこのお話を振り返っています。
お父さんの奮闘を見つめる子どもの姿もまた印象的です。お父さんは嫌いじゃない!でも、地味に頑張るお父さんには共感できなくて反発したり、嫌いなフリをしたり。そしてハッパをかけたり。きっと誰もが一度は経験したことがあるだろう気持ちがいくつも綴られています。
内容はすべて短編で【口笛吹いて】【タンタン】【かたつむり疾走】【春になれば】【グッド・ラック】となっています。みんな頑張ってます。カッコ悪いと思われるかもしれないけれど本当に頑張ってます。
私が「なんで?」と聞くとすぐに「大人になればわかるよ」って答えを返す人がいます。私はいつになったら大人と認められるのか非常に疑問ですが、この本の本当の良さはもうちょっと大人になればわかるようになるのかもしれません。
でも、重松さんの小説はいつも「お父さん頑張れ!」のエールが満載です。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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