| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2001/5/29 |
 |
『バルーン・タウンの手品師』
著 者:松尾由美 出版社:文藝春秋
発行日:2000/10 本体価格:1,524円
|
最近、シトシト雨模様の日が増えてきましたね。こんな日は気分がどうものらなくて困っています。しかし「会社に来ずに1日本を読んでいても良い」と言われたらこれ以上の天気はありません。晴耕雨読とはよく言ったものです。
さて、今回読んだミステリは舞台が変わっています。時代が進み人工子宮が発達した世の中、大きなお腹を抱えて苦しい思いをする妊婦は変わり者だと言われるようです。そんな彼女たちは特別区(別名バルーン・タウン)で暮らしています。何とも不思議なシチュエーションです。で、ここで妊婦に絡んだ事件がいくつも起こります。どれも妊婦ならではのユーモアが効いた事件です。
そうなると探偵も妊婦でなけりゃ面白くありません。期待に応えて登場してくれるのは暮林美央という妊娠2度目の女性。これがまたなかなか過激かつ変わり者の人物で、言動を追っているだけでも楽しめます。中でも衝撃的だったのが【チビで馬鹿の哺乳類】という代名詞。これ、何のことだと思います?赤ちゃんの事なんです。自分の子どもを平気でこんなふうに呼んじゃう人がこの小説の主人公です。ま、確かにそのとおりだなぁと妙な感心をしてしまったんですけどね・・・
ユーモア満載の本らしく、なかなか捻りのきいたところもあります。4話目の『埴原博士の異常な愛情』は読み進むにつれて最近話題のあの人と似ているところがいくつも発見されてきます。もちろん元祖のほうが数枚上手だと思いますがね。それから注目すべきは流血シーンがないところ。これだったら安静にしていなければならない妊娠中のママにも大丈夫。割と気楽に読めるミステリーですので、家事の合間にもおすすめですよ。
どうも血の気の多い謎解きが多い今日この頃ですが、ちょっとホッとする作品でした。しかしながら最近最も残酷なのは現実に起きている事件かもしれませんね。 |
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|