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| 2001/5/25 |
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『錦絵双花伝』
著 者:米村圭伍 出版社:新潮社
発行日:2001/04 本体価格:1,700円
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両手に花とは良く言うけれど、姉妹揃って美人だったら親はたまらないでしょうね。幸せで・・それとも虫がつくのを心配して眠れなかったりして。
米村さんは先の『退屈姫君伝』が本の雑誌かなんかでベストに選ばれて以来ずっと読みたかった作家でした。舞台は時代物なのですが、とても軽快で堅苦しく楽しめるところがとっても良かったです。もちろん時代物ならではの家族の情もばっちり。
江戸を騒がす美人ふたり、お仙さんとお藤さん。彼女たちがこの話の主人公になります。娘評判記なんていうモノをつくる物好きがいて、その最上位の美少女ふたりと言うわけです。そこまで名高い美女がいると言われれば世間の男性陣は黙っちゃいません。日々ふたりのお店にあふれかえってワイワイやる始末。挙げ句の果てには妾にしたいなんて言い出す不届きモノがあったり、そんな金持ちをここぞとばかりに袋叩きにする火消しがいたりとまあにぎやかな時代劇です。
そんな評判のふたりですが、実はお互いに有名人になってはまずい裏の顔を持っています。彼女たちの使命、美人絵師鈴木春信の正体、謎が謎を呼び災いがもたらされていきます・・
これと平行して進行していく事件に「垢付丸盗難事件」という事件があります。これは将軍様からの拝領品で、藩が安心して存続できるその証のようなものでした。それが怪しい小間物売りとそれにたぶらかされた女中によって盗まれて、行方をくらまします。この刀を巡ってもいろいろな人が絡み合って人も死んでいきます。まったく権力を求める人とはおそろしいものです。
二つの事件は愛憎劇も絡みながら、一つの終末に向けて進んで行きます。そして、もちろん時代物らしい涙涙の展開もあって飽きることがありません。美女ふたりが最後まで大活躍です。とにかく楽しい小説でした。
どうやらこの登場人物たちは前作からの流れを受けているようです。と、言うことでやっぱりデビュー作から読まなきゃなりません。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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