楽天市場
ブックス
楽天トップへ
買い物かご | my Rakuten | 総合案内所 | 楽天へ出店 | ヘルプ
本・雑誌・コミックトップ楽天ブックスあなたの書斎楽空間カフェギフト懸賞プレゼント オークションフリマ
1,500円以上で送料無料  ポイントが増えるチャンス!
 注文履歴  ポイント履歴・応募  お買い物方法登録
キーワードで検索 >>本の探し方  |  絞込んで検索 >>

読書日記 2004年3月31日更新
現在の日記の件数:727件

 最新の読書日記   バックナンバー一覧  カレンダー   
<<前日の日記へ | 翌日の日記へ>>
2001/3/7
『こんな人が「解雇」になる』

著 者:夕刊フジ特別取材班
出版社:角川書店
発行日:2001/1
本体価格:571円
藤原伊織さんの『てのひらの闇』は、落日の飲料メーカーを舞台にした小説。全社あげてのリストラが進む中、早期退職を志願した主人公(四十代課長)の残すところ数日間の在職期間中におきた「事件」を描いていきます。藤原作品特有のなんとなく呑気でクール、それでいて内に秘めたものを持つ孤独な主人公の個人史と政治的陰謀の物語ですが、非常に面白い作品です。緊迫感を増していく物語と並行して描かれる、崩れていく会社と、それを食い止めようとするリストラの進行状況。有能な「仕事ができる」主人公を甘んじて早期退職させてしまう上司は、当初、愚鈍な小人物のように思えるのですが、やがて、管理職としてリストラを主導しなければならない内面の苦衷が描かれてくるに及び、ちょっと、グッときます。物語を彩るサイドストーリーですが、会社という組織の中で生きざるを得ない人間の悲哀が浮き彫りになっていて、なかなか心に染みる部分でありました。リストラ「される側」と「する側」双方の痛み。フィクションの中だけの絵空事ではなく、現実的に類推されうる「痛み」であるためにより感じ入ってしまう部分は大きかったようです。さて、本書、『こんな人が「解雇」(クビ)になる−リストラされた78人の教訓―』は、夕刊フジ連載の、リストラされた当人たちの証言を集めたルポルタージュ。会社員としてというより、人間としての悲痛な心の叫び。いささか胸の塞がる本ではあるのですが、瞠目して読まねばなるまいと思うところです。

各ルポのタイトルを並べていくだけでも、かなり気が重くなります。『抜擢かと思ったら、事実上の解雇だった…42歳、出版社』『自信家がすべての自信を失ったとき…38歳、ソフト開発会社』『憂鬱な毎日、家は針のムシロ…47歳、事務機器メーカー』『二十七種の資格も再就職の役に立たず…43歳、繊維会社』『職転々、現在の住所は新宿中央公園…49歳、派遣』。とりわけ三十五歳以上でリストラに遭い退職した人たちの再就職の道は険しい。再雇用先があるだろうと早期退職に応じたのが大失敗。みんな口々に言うのは「会社はどんなことがあっても辞めてはいけない。たとえ給料を大幅に減らされても辞めるべきではない」ということ。とはいえ、嫌がらせを受けながら、居ずらい会社に居座り続けることで、状況が回復するかと言えばその可能性も薄い。再就職にしても、資格よりも実務経験、ただし、キャリアがあっても高給採りはダメ、結局、若いうちではないと…と八方ふさがりの事例ばかり。この「不安」な時代を生き抜くための一抹の希望がどこかに隠されていないかと読み進めながら、結局、どんな状況が自分に襲いかかるかわからないのだから覚悟しておきなさい、と諭されたかのような読後感です。

高校生の頃、源氏鶏太さんの、所謂サラリーマン小説を読んでいたら「会社員としてはダメだからといって、人間としてダメなわけじゃない」というフレーズに遭遇。自分も、いつか、会社で行き詰まったり、この仕事向いてないなあ、なんて苦悩して、こうしたフレーズを口づさむようになってしまうか、と戦々恐々としてしまいました。いつの間にか、三十代前半の会社員として辛うじて生き抜いている自分がいるのですが、仕事でのつまづきが、いかに人間的自信を失わせるかはわかったような気がします。リストラ、解雇によって失うのは、経済的な手段だけではなく、それまで積み上げてきた自分の人生への「自信」。会社から「必要がない人間」であるとの烙印を押されてしまった悲しみ。憤り。つい先日も「銀行員がリストラを妻になじられ義母蹴り殺す」という陰惨な事件がありました。ただでさえ弱っている心が、なじられることによって暴発。心の弱い人間だったのさ、と一言で片付けられない何かがあるような気がします。本書の中で、再出発のために無謀といわれながらもやっとのことで大型ニ種免許を取得した男性が漏らした言葉。『あと二十年、働かなくてはいけない。あと三十年は生きるんですよ。僕は、その二十年、三十年を生きる自信が欲しかったんだと思いますよ』。仕事とは、生きる自信とは、などと多くのことを考えさせられる一冊です。今年はいくつか実務的な資格を取得して会社員としてのパワーアップを図ろうと考えている私ですが、心に拍車をかける(笑)という意味ではとても良い本ではなかったかと思います。
【楽天ブックススタッフ 知】


【読書日記】では、楽天ブックススタッフが自分たちの読んだ本を日記形式で紹介していきます。

新刊本・未刊本・絶版本。定番から変わった本まで、いろいろな本が登場します。ほぼ日替わり、何が飛び出すか、乞うご期待!
皆さんが読んだ本、良かった本、面白かった本も、私たちに教えて下さい。
お便りはrecommend@books.rakuten.co.jpまで



このページのトップへ

楽天ブックス トップ | ヘルプ | 買い物かご| 注文履歴| お買い物方法登録

ご意見、ご質問などは info@books.rakuten.co.jpまでお寄せください。
楽天BOOKSは SSL に対応しているので、クレジットカード番号は暗号化して送信されます。

Copyright (c) 2000-2003 RakutenBooks, Inc. All Rights Reserved.