説明するまでもない事ですが、検屍官シリーズの最新作です。ベントンファンの私としては彼が舞台から消えてからは新作を読もうという熱意も薄くなっていたのですが、大晦日の紅白歌合戦のようなもので、見ないとちょっと心細い。結局誘惑に勝てず電車通勤のお供となりました。
今回のお話は前作『警告』の直後から始まります。このシリーズの感心すべき所は小説とはいえ時間がきっちり流れていくこと。(だから、読む順番を間違えるとびっくりする)そう思って読み始めたので、ちょっととまどいがありました。さすがに前作を読んだのは一年前ですからちょっと記憶が薄くなっています。検屍官シリーズを読んだことのない方は是非デビュー作の『検屍官』からお読みになることをおすすめいたします。せめても『警告』から読まないと全然ちんぷんかんぷんなので、お気を付け下さい。そんなわけで、いつもながらにケイ・スカーペッタにはのっぴきならない状況が次から次へと襲いかかるのですが、最大のピンチが前作の〈狼男〉の襲来。それを乗り切ったのも束の間、今回はケイに副署長殺害疑惑がもたらされます。
あれよあれよという間に新たな殺人が起こったりして、ケイは心身ともにピンチ!という導入部分はまあさておき、今回最大の特徴は前作でケリがついたと思った事のどんでん返しがいくつも起こる事。「え?もしかしてあの人は死んでなかったの?」なんて、思わされてしまうこともしばしばです。しかしながら、また今回も暗い!確かにこれだけ踏んだり蹴ったりの出来事が起れば暗くなるのも当たり前だけど、ベントンを失ったショックを極めて濃く引きずっている作品になっています。(私もショックだったけど)。転じてルーシーは割と吹っ切れたイメージを持ちました。相変わらず格好良いいし、新しいことに打ち込む姿に非常に共感をもちました。
そんなこんなで、物語は新たな展開を迎えそうです。心身を襲ったショックからケイがどうやって立ち直っていくのか?ルーシーの超大型企画はどうなっていくのか?そして「どうすりゃいいんだ!」と叫んだマリーノはどうするのか?謎が謎を呼び、結論はやっぱりまた一年後に持ち越された気がする今日この頃でした。 |