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| 2001/12/4 |
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『あしたはうんと遠くへいこう』
著 者:角田光代 出版社:マガジンハウス
発行日:2001/09 本体価格:1,400円
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高校生だった泉の15〜6年に渡る恋愛生活を描いたのがこちら。誰しも女の子だったら経験したことがあるほろ苦い想いが・・・と言いたいところだったのだけど、この泉ちゃんなかなか一筋縄ではいきません。
まずは高校時代、好きな男の子に自分で編集した音楽のテープを手渡しこっぴどくふられます。(これは何となくありがち)で、田舎町から出たくて仕方がなかった彼女はめでたく東京への脱出をはかり成功!相変わらずの音楽少女だった泉はバンドのボーカルののぶちんと恋愛して同棲して、音楽評を書いたりしていましたがこれに何となく行き詰まりアイルランド旅行へ・・帰ってきたところで、同棲相手のアパートには女が転がり込んでいて、仕方がなく夜な夜な知り合った男のもとに体を提供し夜露をしのぐ生活…‥・・
もしかして、これって女の子の転落物語では・・と思ったりしたのですが、不思議と暗さがありません。この他にもまっとうな仕事を始めればストーカーに追いかけ回されたり、親友は不倫相手の子どもを誘拐したりとにかくジェットコースターのように事件が起こり続けるのです。恋愛模様的には連ドラに向いているかもしれませんが、これを実写で作るとなるとかなりどろどろしちゃうんでしょうね。その点この文章を読んでいると、泉が閉塞からの脱出を図りたがって、一生懸命時には背伸びしつつ生きているどこか爽快な空気が感じられるのです(道徳とはほど遠いけれどね)
若かりし頃は、誰しもこの泉ちゃんのようにもがき苦しんであしたへあしたへ生きていくものなのだなぁと遠い目をして本を閉じました。プチンとあっけなく終わってしまったラストもなかなかあっさりしていて物思いにじっくり浸らせてもらえます。でもちょっと待てよ、そんなふうに過去のことのようにこれを受け取っていいのか!私もまだまだ同時代人だぞ!と、一人突っ込みは続くのでありました。とにかく、もがいている女の子も、あぁ若気の至りってヤツよね・・なんて事を思いたいことがいっぱいある元女の子もどちらにも読んで欲しい一冊です。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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