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| 2001/12/26 |
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『北斗の拳・蒼天の拳研究序説』
著 者:巨椋修 出版社:アートブック本の森/コアラブックス
発行日:2001/09 本体価格:1,300円
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鳴り物入りで創刊したコミックバンチの看板となる作品が、あの「北斗の拳」の続編である「蒼天の拳」である。かつて、「秘孔ごっこ」に興じた者としては、これは読まずにいられない作品なのは言うまでもないことであるが、本書は、その元祖「北斗」と「蒼天の拳」を扱った画期的書籍である。
本書では、北斗の正しい読み方として、「北斗の拳は神話である」という見方をするべし、と説いている。そう、実は(というか読めば誰でも分かる事だが)北斗の拳には、多くの矛盾や、ご都合主義な展開が横行している。南斗六聖拳って全員男じゃなかったの?とか、リンが天帝ってそんな…、とか、ラオウの息子を出すのは反則だよ、とか修羅の国に上陸したバットが異様に強いのは何故?名もない修羅に倒されたファルコの立場は…しかし、そんな事を気にしてはいけない。「北斗は感じるままに読め」「神話だから何でもあり」それがこの本の教えである。
ここで個人的な意見を書かせていただきたい。北斗はすばらしい作品である。もちろん矛盾点もあるが、そんな事は些細なことで、気にすることではない。それよりも、「ラオウとトキの戦いを読んで涙すべし!」「ラオウの偉大さを知れ!」「アイン、おまえかっこ良すぎるんだよ!」となるのである。また、舞台となるのは、日本ではなく、あくまでも「日本によく似た」世界で起こったことで、現実世界とは一線を画する舞台で展開されていた。だからこそ、「こいつ、身長が20メートルあるんじゃない?」とか「修羅の国って中国っぽいけど何か違うな」とか「天帝って誰だろう」という疑問を、その曖昧さが隠していた。
しかし、「蒼天の拳」は、その北斗ワールドに現実的な史観を持ち込んでしまった。これはかなりヤバい。北斗が持つメチャクチャな設定に、史実という制限がかけられると、世界は縮小してしまうおそれがある。
今の「蒼天の拳」は、何となく、原哲夫氏の「阿弖流為2世」と同じ雰囲気を醸し出している。1ファンとして、いろいろと心配で、夜も眠れない今日この頃である。 |
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【楽天ブックススタッフ 久】 |
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