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| 2001/12/18 |
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『孔雀狂想曲』
著 者:北森鴻 出版社:集英社
発行日:2001/10 本体価格:1,700円
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久しぶりに北森色豊かな作品に出会ったような気がしました。それも、『狐罠』を思わせる骨董(古道具?)の世界が舞台。骨董店・雅蘭堂の店主、越名集治の元には怪しげな品物が毎日持ち込まれ、なんとなくワケありなお客さんが到来。といいつつも、なんとなく閑古鳥が鳴いている雰囲気・・とすでに設定がミステリアスです。イメージ的には京極堂に鎮座する中禅寺秋彦(全然似てない気もしますが)
ジッポーとかジャンクカメラとか、根付けとか古いものには歴史を記憶がふんだんに織り込まれているものなんですね。単なる古道具の謎解きにとどまらず、殺人事件が起こったり同業者とのダマしあいがあったりするので、どんどんどんどんページがめくられていきました。暗い雰囲気に思われますが、物語の冒頭にであう女子高生の存在が場面に明るさをもたらしています。この子は最初は万引き未遂犯として登場したのですけれど、いつのまにかアルバイトとして転がり込んできて、すっかり居着いてしまいます。でも、アンディーウォーホールすら知らないアルバイトなので、貴重なものを二束三文で売ろうとしたり、壊しちゃったりこれまた大変。
骨董品や古道具って、その過去を探るという行為のそのものが謎解きに似ていますよね。今回はそれを強く思いました。越名も完璧な人間だったらここまで思い入れが出来なかったかもしれませんが、まだまだ未熟者で他のマニアに出し抜かれちゃったりもして親近感が持てます。『狐罠』は終始贋作と騙しあいの世界でしたが、こちらは持ち主の心が細かく描かれています。テレビ番組でも相変わらずの骨董ブーム、裏側はもしかしてこんなにドロドロしているんだろうか?なんて事を想像しながら読むとさらに楽しめること請け合いです。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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