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| 2001/11/21 |
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『片想い』
著 者:東野圭吾 出版社:文藝春秋
発行日:2001/03 本体価格:1,714円
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『秘密』の時の印象が強かったので、どこかほんわかしたストーリーを思い浮かべ(実際装丁も似ています)今度はどんなどんでん返しかなぁと読み始めたところ、意外に実はもの凄いジェンダー問題を扱っているのです。本の仕事をしながらもこの本は何なのかという事前知識がなかったために驚くことばかりでした(売り手がこれじゃいかんなぁと反省)。でも出来ることならオビのコピーも読まずに読むことをお薦めします。
帝都大アメフト部OBの西脇哲朗は、久しぶりに再会した女子マネージャーの日浦美月から自分が性同一性障害であり、男になってしまったことを告白されます。それだけならともかく、殺人を犯したうえに逃亡者であることも聞かされるのです。哲朗の奥さんという人も同じく女子マネで美月の親友であったこともあったりしてこの仲間は美月を匿うという行動に出ます。そして、真犯人を追ううちにどうやら別の大きな事件が裏にあることに気付いていくのです。
東野作品といえば最近読んだものがコメディータッチの『超・殺人事件』であったので、よけいにこのシリアスさとのギャップに苦しみました。もちろん、トランスジェンダーの問題に真っ正面から取り組んだことなど評価すべきことは多いのです。でもでも、私は東野さんについてはコメディータッチのほうがより自分の言葉で相手に訴えかけている気がしてなりません。(とは言っても、このテーマをコメディータッチで書くわけにはいかないでしょうね)私も男女差別を感じた事がないわけではありませんが、エンターテイメント小説でここまでたて続けに訴えかけられると、ちょっと辟易感も出てきてしまいます。
それよりも発見だったのは、物語の中に『サンタのおばさん』というストーリーが出てきた事です。これ、最近大人の絵本として発売されています。本当ならば大学時代の仲間の仲間意識、変わってしまった僕たち・・みたいなテーマを掲げて読むべきものなのかもしれませんし、事実そちらの方での感動の声が多く見受けられます。でも、私についてはジェンダー問題にはじまり、男と女の枠組みってなんだろう?で終わってしまいました。何だか感動し損なった気もしています。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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