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| 2001/10/31 |
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『冷静と情熱のあいだ(Blu)』
著 者:辻仁成 出版社:角川書店
発行日:1999/09 本体価格:1,400円
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「忘れられない人がいる。」そんな切ないキャッチコピーに惹かれて読んだ人も多いのでは?もしくは最近は「竹野内の映画」というきっかけで読み始めるのでしょうか?この「冷静と情熱のあいだ」は、男性が主人公の(Blu)と、女性が主人公の(Rosso)が別々に存在しています。お互いの気持ちのすれ違いや、想いが、とっても切ないのです。
Bluの主人公の順正は、とてもロマンチストで情熱的です。最初から最後まで忘れられない恋人の「あおい」への想いがつづられています。順正はあおいの仕草や言葉のひとつひとつを、毎日習慣のように思い出します。学生時代のほんの数年の恋を、ここまで大切にすることができるなんてすごい!あおいに別れを告げたのは順正の方ですが、その別れの原因となったものが誤解であったと、順正は数年後に知ります。やっぱり男性の方が過去を引きずるのでしょうか、このまま幸せになれずに一生を終えてしまいそうな順正がとても心配になりました。女性はけっこうさっぱりしているものですから(え、私が?)、「あおいはとっくに順正を忘れて他の幸せをつかんでいる確率の方が高いのに!」なんて、ややあおいに批判的になってしまいました。
私は順正の切ない恋にも心を打たれましたが、やっぱり女性同士だからでしょうか、順正の恋人の芽実がとても気になりました。愛の大きさでは、順正にもあおいにも引けをとりません。あんなに激しく順正を愛して、生活を共にしても、「彼には忘れられない人がいる、心から自分は愛してもらえない」、ということを知ってしまった衝撃って、とても想像できません。ある意味、芽実が一番苦しい恋をしていたのかもしれません。
順正とあおいは「あおいの30歳の誕生日にフィレンツェのドゥオモで会う。」という約束をします。この約束ひとつで、あらゆる登場人物の生活が、心が、振り回されているように思いました。とにかく、みんな本気なんです。みんな誰かをとても好きなのに、全部一方通行で切ないお話です。 |
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【楽天ブックススタッフ 亜】 |
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